2019年04月06日

春の脳内BGM

家の周りの桜も咲いた。
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正面のひとつは、もう老木で、数年前に半分折れてしまった。
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入り口の1本は成長しすぎて上を切って高さ制限を受けている^^;
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芝桜も花盛り
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春の情景を見るたび、脳内BGMとして流れるのはグリーグの「春」。
ヴィニエの「春」という詩に付曲したピアノ・リートだが、一般には弦楽合奏曲「最後の春(過ぎし春)」として知られている。
美しい花と、空、そして独特の春の息吹を感じるたび、その曲が頭の中をリピートする。
それは中高生時代から変わらないのだが、心持はその頃と明らかに違う。
永遠に続くと思っていた日々は、またたく間に過ぎ、詩人がここに込めた思いは今では別の様相で自分の中に佇むようになった。



このブログでいつもコメントを入れて下さってるサルミアッキさんが、そのヴィニエの「春」を和訳してくれた。
公開のお許しをいただけたので紹介させて頂きます♪

サルミアッキさんによると、ヴィニエのこの詩はノルウェー語ランスモールで書かれていて、一般的なブークモールに比べ、かなり濃厚な地方色の中にあり、日本語に当てはめるのは難しいらしい。
たとえば、日本の東北弁での「しばれる」が単に「寒い」だけの意味ではないように、生活言語として単語自体に強い感情や背景があり、しかも音声的には単純で語数が少ない…その為に思い切った省略と意訳が必要になるとのことだった。
「あくまで雰囲気を読み取る手がかりとしてください。どうやってもヴィニエの詩句感覚を再現するのは不可能なようです。意訳どころか、明らかに誤訳散見なのですが、お許しを。訳者はわかってますから(笑)
また、出版物によって語句が異なっています。いっそ別物として、とりあえず…」

春  Våren  ヴィニエ

再び冬が逃げ 春に時を譲るのを見る
去年のようにサクランボの木も また花であふれる
再び氷は消え 大地が姿を現す
雪溶けの水は 滝の様にほとばしる
再び草は緑に萌え 花と共に現れる
再び春鳥の声がして 太陽はやがて夏に向かう

日がな 春の香に浸り この目をうるおし
日がな くつろぎ 春の陽を浴びる
春が贈るのは 摘み取った一輪の花
そこには祖先の魂が踊っている
白樺ともみの木の間の春の不思議
私が削り出す笛の音は
すすり泣くようにそれを訴えるだろう

(省かれた第2節)
再び春の丘で 光が踊るのを見る
蝶たちは舞い 花を揺らしている
私はこの春の息吹に ずっと失くしていたものを見つける
私は寂しく問う「これが最後だろうか?」
なるようになるがいい それでも命の息吹を感じる
この春の中で すべてが終わるのなら


確かに、北欧人と自分のように東京近郊の日本人では、「春」というだけでも全く意味が違う。
季節ごとの生死観も歴史も全く違う、異文化の言語におきかえるというのは、不可能に近い。
単純すぎても説明的でもいけないし、語の訳を正確にしたからと言って詩人の心が伝わるものでもない。
サルミアッキさんは人生の半分をノルウェーとフィンランドで生活しているので、かなり感覚は現地人に近いかもしれないけれど^^

しかし…極力簡略にしてくれたという訳詩をナビゲーターに、自分はきっと文字通り最後まで、春ごとに脳内に流れるこの曲に浸るだろうと予想している。

弦楽版


バーバラ・ボニーのしみじみとした名唱



posted by あひる★ぼんび at 02:24| Comment(2) | 音楽
この記事へのコメント
アップ有難うございます。

苦戦したというか、適切な日本語を探せない難しさがありました。
いっそ東北弁で訳せば面白かったのかなとかとも考えますが、グリーグの音楽はかなり都会的で、雰囲気的に相容れないと思いました。

関係ない話ですが、先日、帰国した際、日本では北欧諸国が幸福度上位であるとしきりに宣伝していて、少々の違和感も感じました。27%の付加価値税、超高額の所得税…カフェでお茶して4000円の出費ですよ。幸福とは何かという哲学的な問題でもあると思います。
Posted by サルミアッキ at 2019年04月09日 17:41
こんばんは。

美しい訳詩を本当にありがとうございました。
方言で書かれたものを訳すのはさぞ困難だったと思います。

最近TVで流れる「幸福度」の話は、文化も価値感も違う国を単に数字で比べるという暴挙だと思っています。
確かに医療費や教育費が無償というのは素晴らしいですが、生活はそれがすべてではない。総体的に考えて、日本は決して暮らし辛い国ではないですよね。
Posted by あひる★ぼんび at 2019年04月09日 22:56
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